建造物でめぐるオホーツク

オホーツクの建造物

ダム・橋梁・交通・歴史的建物ほか

旧上藻別駅逓(鴻之舞金山資料館)

民間有志らによって保存され資料館に。国の登録有形文化財にも指定されている。

駅逓は、もともとは江戸時代からあった飛脚の中継場所であった宿駅が基礎となっているが、北海道では開拓とともに独自の発達を遂げていった。

当初、道内には江戸幕府から引き継がれた一二六か所の駅逓があり、土地区割りや道路作りの技師ら、公用の旅人専用の宿泊施設として利用されていたようだ。やがて多くの入植者がやって来るようになると、彼らのための宿泊施設や荷物の運び役が必要となり、そのため明治政府は土地土地の有力者に駅逓を設置するよう求め、国費で統一規格の建物と運送用の馬などを用意するようになった。また郵便局の機能も兼ねていて、道内では延べ六七六か所で駅逓が開業されたが、全部または一部が現存するのは八か所だけとなっている。

北海道の開拓が進み、鉄道開通が各地で見られるようになると、次第に駅逓はその役割を失い、閉鎖されていき、そして最終的に一九四八(昭和二三)年に、駅逓制度そのものが廃止されることになった。

上藻別駅逓は鴻之舞鉱山跡地の近くにあり、一九二六(大正一五)年に建設された。現在は鴻之舞金山資料館として公開されている。戦前の北海道独特の建築形態を有する古建築物として、二〇〇八(平成二〇)年国の登録有形文化財に指定された。

DATA
旧上藻別駅逓
  • 所在地:紋別市上藻別297-1
  • 建設:1926(大正15)年
  • 構造:木造2 階建て
  • 国指定登録有形文化財
  • 公開期間:4 月末~ 11 月末  
  • 開館時間:9:30 ~ 15:30
  • 休館日:月曜日
  • 料金:無料
  • 問い合わせ先:上藻別駅逓保存会 TEL:0158-26-5110