網走市立郷土博物館
北海道の代表的建築家・田上義也の設計。戦前の北海道の洋風建築の代表的な建物の一つである。
この博物館の基礎となったのが、モヨロ貝塚の発見者であった米村喜男衛(初代館長)が発掘した個人資料の散逸を防ぐためで、開館時は「北見郷土舘」であった。その費用の多くは、当時鴻之舞鉱山を経営していた住友財閥の支援を受けて建設された。
設計は、戦前から戦後にかけて活躍した北海道を代表する建築家・田上義也(一八九九- 一九九一)である。平面は十字型で、中央にドームがある。円柱やブロックを用いたのは、一九三〇年代の作品に特徴的な雪国型造形の表現とされる。ドームに昇るらせん階段が美しく、田上は戦後の作品にも多く用いている。また、館内の小窓にあるステンドグラスや、展示室の天井勾配は、田上の師・アメリカの世界的建築家フランク・ロイド・ライトの影響と思われる。
DATA
網走市立郷土博物館
- 所在地:網走市桂町1丁目1番3号
- 建設:1936(昭和11)年
- 構造:木造2階建て
- 設計者:田上義也
- 開館時間:9:00 ~ 17:00・冬期間(11 月~4月)16:00 まで
- 休館日:月曜、祝日、年末年始
- 料金:大人120 円・小中学生60 円
- 問合せ先:0152-43-3090