建造物でめぐるオホーツク

オホーツクの建造物

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アイスブーム

サロマ湖への流氷の侵入による、ホタテ・カキ養殖施設破損の被害を防ぐ、世界初のアイスブーム。

サロマ湖は、ホタテやカキ養殖の一大産地であるが、かつては湖口から流氷が流入することで、漁船の安全航行が妨げられ、養殖施設が壊れる被害が頻発していた。そのため考案されたのが世界初の「アイスブーム」(IceBoom  流氷堤)だ。

アイスブームは、湖口から約四〇〇メートル湖に入った地点を中心に、半円を描くように一四本の支柱を一一〇メートル間隔で打ち込み、直径一・二メートルの円筒ブイと、深さ四メートルのワイヤネットで流氷を受け止める。一枚のネットで約五〇〇トンの荷重に耐えられるようになっている。

欧米では、河川氷の制御に使われる小型のものが作られた事例はいくつかあったが、これを海氷に対して世界で初めて適用したのがサロマ湖で、考案したのが当時北大工学部教授だった佐伯 浩氏である(のちに第一七代北大総長)。

一九九四(平成六)年に着工し、二〇〇一(平成一三)年に関連施設を含めて完成した。平成九年度に一般社団法人全日本建設技術協会が選定する全建賞(港湾部門)を受賞している。