建造物でめぐるオホーツク

オホーツクの建造物

ダム・橋梁・交通・歴史的建物ほか

網走刑務所正門

日本最北東端の刑務所。所内のレンガ工場でレンガを作り、受刑者によって正門や赤レンガ塀が造られた。

網走刑務所は、日本の最北東端にある刑務所である。正式な刑務所であるにもかかわらず、観光名所の一つとなっているのは実に珍しい。

開設は一八九〇(明治二三)年だが、当初の建物は一九〇九(明治四二)年、山火事の飛び火が原因でほぼ全焼した。その後、明治末年にはレンガ工場を新設して、このレンガ造りの正門や赤レンガ塀が受刑者の手によって造られた。正門の完成は一九二四(大正一三)年。※大正一一年としている資料もある。

門の形としては左右対称だが不等辺な七角形。赤レンガの中に、黒っぽいレンガが見られるが、これは窯の中に塩を入れ、一一六〇度以上の高温で焼き上げたもの。現在はこのような焼き方はできないため、レンガ建築の歴史を知るうえで重要なものといえる。

DATA
網走刑務所正門
  • 所在地:網走市三眺
  • 建設:1924(大正13)年
  • 構造:レンガ造
  • 設計者:金子肇、佐藤源之丞
  • 1890(明治23)年「釧路監獄署網走囚徒外役所」として開設
  • 1909(明治42)年 火災(ほぼ全焼)