北海道家庭学校礼拝堂
大正期に建てられた希少な礼拝堂。伝統的な教会堂の形態が採用され、一〇〇年を経た今も現役で使用されている。
北海道家庭学校は一九一四(大正三)年、留岡幸助によって設立された、「感化院」である(現在は児童自立支援施設)。留岡幸助自身一七歳の時にキリスト教の洗礼を受け、同志社英学校(現同志社大学)神学科に学び牧師となった。そのため教育の基本にキリスト教精神があった。
そのシンボルがこの礼拝堂で、設立五年後の一九一九(大正八)年に竣工、完成まで四年を費やしたとの記録がある。ラテン十字形(四本の長さが等しい十字)の平面、大屋根上の小尖塔、木地を露わした内外壁や床・天井など、簡素な意匠となっている。
設計は、北見のピアソン記念館と同じくヴォーリズではないかと考えられる。大正期の希少な教会堂で、建築意匠に優れ、歴史的価値の高い建造物として二〇一五(平成二七)年に道指定有形文化財に登録された。
DATA
北海道家庭学校礼拝堂
- 所在地:紋別郡遠軽町留岡34
- 建設:1919(大正8)年
- 構造:木造2 階建て
- 1914(大正3)年 東京家庭学校社名淵分校として設立
- 1919(大正8)年 礼拝堂竣工
- 1968(昭和43)年 北海道家庭学校として分離独立
- 問合せ先:0158-42-2546(北海道家庭学校)