雪解けともに現れる 日本一の花の風景と出会う

 雪解けの水が湿原を満たす頃、 網走湖畔に純白のミズバショウが姿 を見せはじめる。網走から女満別にかけての網走湖畔は、国内最大級の ミズバショウ群生地で「女満別湿生 植物群落」として国の天然記念物に 指定されている。 約五六ha の広さが あり、有名な尾瀬の群落を凌ぐと言 われている。見頃は四月下旬から五月上旬にかけてで、ゴールデンウィ ークのドライブでは見逃せないポイ ントだ。

 湖畔で春を告げるのがミズバショウなら、山ではエゾヤマザクラが 春を告げる。「天に昇る都のようだ」 ということからその名がついた天都山は、北海道で唯一、国の名勝に指 定された文字通りの名勝地。 頂上付近には約千本のエゾヤマザクラが植 えられ、五月中旬に見頃を迎える。
南から北上してきた桜前線も、ここ網走・天都山で終着を迎える。 オホーツク海と濤沸湖に挟まれた小清水原生花園。六月から八月にかけて、約四十種類の花が次々と咲 き乱れるが、最初に花を咲かすのがクロユリ、センダイハギ、ヒオウギヤメなどだ。クロユリは数が減っているので見つけにくいが、黄色のセンダイハギ、紫のヒオウギアヤメ は群生で見られる。原生花園が様々な色を付けはじめると季節は初夏へと移っていく。


▲クロユリ

▲ヒオウギアヤメ

東藻琴の藻琴山温泉芝桜公園も滝上公園と並んで、日本一のシバザクラと呼び声が高い。1つの花の径はわずか1〜2センチメートル。その小さな花が、約8haにわたって丘の斜面を埋め尽くす。

5月の上旬から咲きはじめ6月上旬までと花期は長いが、見頃は5月中旬から5月いっぱい。青い空とピンクのシバザクラの鮮やかなコントラストは、心の中に鮮明に焼きつくだろう。

清里町の光岳小学校丸山営繕林は隠れたサクラの名所だ。昭和9年にエゾヤマザクラを植林しはじめ。その数約200本。樹齢80年を越える古木は毎年見事な花を咲かせる。


▲網走湖畔で見られる国内最大級のミズバショウ群生地
「女満別湿生植物群落」


▲網走天都山のエゾヤマザクラ。
5月中旬には「天都山さくらまつり」が開催される。
(問い合わせ/TEL.0152-44-5849 網走市観光協会)




▲東藻琴のシバザクラ。
開花時期の5月上旬〜6月上旬は
「ノンキーランド芝桜まつり」が行われる。
入園料・大人500円、子供250円 。
(問い合せ/TEL.0152-66-2131 大空町東藻琴総合支所商工観光係)