秋の清里路
 


清里・秋の風物詩

斜里町から清里町へ。道道摩周湖斜里線沿い上斜里の約3キロにわたる「コスモスロード」は、8月上旬から10月中旬までが見頃。斜里岳と色とりどりのコスモスが織りなす景観が目を引く。沿線の農家らの取り組みが続いている。

 清里町焼酎醸造事業所では、ジャガイモの収穫に併せて9月から「じゃがいも焼酎」の仕込が始まる。川付のジャガイモを蒸してつぶし、二条大豆のもろみや水と混ぜ、かくはんする。蒸留・ろ過後、熟成される。この作業の様子がガラス越しに見る事ができる。

 清里市街から約6キロの「宇宙展望台」は、360度迫力の星空が広がり、宇宙を身近に感じられることから命名された。昼間は斜里岳のすそ野に広がる防風林と牧場の風景が見られる。防風林は「農村景観100選」に選ばれている。

 日本百名山の1つ斜里岳の登山口にある「野鳥虹の森」は、雑木林に散策路があり、落ち葉を踏みしめながらのバードウオッチングが楽しい。

 道道摩周湖斜里線を走り、摩周湖の裏手に出て、裏摩周湖の眺望を楽しむ事ができる。清里・裏摩周展望台は、弟子屈町の第1・第3展望台の反対側、中標津町との町境に位置する。弟子屈側の展望台より標高が低いため、霧の発生が比較的少なく、摩周湖を見られる可能性が高い。

※清里町焼酎醸造事業所
 清里町羽衣62番地
TEL.01522-5-2227



 

学生らが商品開発

 網走地方の高校・大学生が、特産品づくりに熱心だ。美幌農業高校は、美幌町市外地に「美農ショップ」を開店し、生徒が作った牛乳・ヨーグルト・アイスクリーム・トマトジュース・野菜などを販売している。開店日には行列ができるほどの人気だ。

 同町の特産品として栽培されていた亜麻を地域活性化に生かそうと、その栽培とともに、亜麻の種子を使ったクッキーやパンなどの加工品の開発・販売にもこぎつけた。

 東藻琴高校でも、野菜や花づくりのほか、ハム・ソーセージなどの製造・販売を通じ、地域住民と交流を深めている。乳製品では、ナチュラルチーズとアイスクリームの開発に成功、地域の特産品となっている。農業実習を通じたこれら成果は、地域から高く評価されている。

 大学生も負けてはいない。東京農業大学(網走)では、平成15年学生らによる学内ベンチャー企業「東京農大バイオインダストリー」を設立し、独自に開発した化粧品などの販売に力を入れている。同化粧品は、オホーツク圏で育成されている鳥類のエミューの脂質を加工した保湿クリーム、石けんなど。きたみ東急百貨店で自ら販売したり、北海道キヨスクの通信販売カタログにも掲載され、知名度を高めている。エミューのたまごと地場産品を原料にしたどら焼きやメロンパンなども製造・販売している。

 

 

モヨロ鍋

 網走市内のホテル、旅館、料理飲食店では「モヨロ鍋」を賞味できる。数年前から登場した網走にこだわった料理だ。

 モヨロとは、オホーツク文化の代表的遺跡で、国の史跡に指定されている「最寄(モヨロ)貝塚」。同遺跡からはアイヌ、和人などと異なる「オホーツク人」(最奇貝塚人)の人骨とともに、きれいに細工された土器などの生活用品が多数出土した。この土器をモチーフにモヨロ鍋がデザインされた。

 その特徴でもある模様と動物が描かれている特製の鍋の具材には、網走が発祥の「すり身」が使われ、各ホテル、飲食店がそれぞれ工夫し調理している。

 「SURIMI」は世界標準語。昭和35年北海道立水産試験場(網走市)の研究者グループがスケトウダラを原料に、無塩冷凍すり身を開発したもので、水産練り製品の発展につながった。現在、冷凍すり身は世界各地で生産されている。

 最奇貝塚は、白滝遺跡、常呂遺跡、朱円周堤墓(斜里)とともに、「ホホーツク沿岸の古代遺跡群」として北海道遺産に登録されている。 

 
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