朝市・番屋グルメと知床の紅葉
 


網走感動朝市

「網走感動朝市」が10月15日まで網走漁港区特設会場で行われている。大漁旗がたなびく中、海産物が満載。いくら丼など朝食(ホテルで要予約)もあり、港町・網走ならでは朝市。

 7月中旬から始まり、9月以降はトウキビ・ジャガイモなどの農産物も並び、山海の特産品が揃う。 これらが市価より安く提供されている。毎朝午前6時半〜同9時半(土日曜日・祝日同10時半まで、定休日あり)。
網走市の水産業は、オホーツク海・網走湖などの湖・網走川を漁場にし、生産額が100億円を越え、農業・観光と並ぶ基幹産業の1つ。網走湖で秋に獲られるシラウオ(道内一の産地)は「活き枠(イキイキ)7珍」(網走代表的水産物)に入っている。サケの魚醤(ぎょしょう)が「鮭太郎」と名付けられ、網走第一水産加工業協同組合が販売している。「7珍」の1つカラフトマスが原料の「鱒次郎」とともに観光客らを中心に人気を集めている。


※網走感動朝市
網走市港町4番街 TEL.0152-43-7666


 

市立網走美術館

朝市のにぎわいを堪能した後は、オホーツク圏唯一の公設美術館「網走市立美術館」へ。同美術館では、北見市で屯田兵の2世として生まれ、網走で育った画家 居串佳一(イグシカイチ)(1911〜1955)の作品が鑑賞できる。

 同美術館は、居串の作品が寄贈されたことがきっかけで開館。現在、居串の作品は500点近くを収蔵し、約20点が常設展示されている。

 居串は24歳の時に上京し画業に励み、戦後網走に戻り、全動展の創立会員として、北海道の美術界の進展に尽力した。40歳の時、再び状況したが、札幌滞在中に脳膜炎を患い、44歳の若さで急逝した。

 オホーツクの風土や生活をテーマに描き続け、作品には叙情的・幻想的な雰囲気が漂う。写真は「氷上漁業」(昭11)。晩年はユーカラを取り上げ描いた。常設展観覧料100円(高校生以上)

※網走市立美術館
 網走市南6条西1丁目
TEL.0152-44-5045

 

知床の秋

網走市から斜里町へ。平成17年国内3番目の「世界自然遺産」に登録された知床は、9月から10月にかけて紅葉の時期。知床連山の高いところから色づく。ウトロ〜羅臼間の国道234号知床横断道路(例年10月下旬まで開通)をドライブしながら紅葉が楽しめる。広葉樹と針葉樹が混在し、ナナカマドの秋、ダケカンバ、カエデの黄、ハイマツ、トドマツの緑のコントラストに目を奪われる。

 道道知床公園線(例年11月下旬まで開通)で、知床連山の展望、原生林が魅力の知床五湖へ。静かな湖面に赤や黄色が映りこみ、神秘的な雰囲気が漂う。遊歩道を歩き、水辺からじっくり知床の秋を鑑賞する。

 町道岩尾別温泉道路(岩尾別〜岩尾別温泉)は1部、紅葉のトンネルになる箇所もある。知床連山の紅葉の色が最も濃くなること、雪が舞い降り、知床は3月末まで白い長い冬に閉ざされる。

 平成18年には知床一湖を望むことができる展望台への高架木道が新設された。ヒグマの出没で遊歩道が利用できないときなどに「安心して眺望を楽しめる」と重宝されている。

知床の自然体験

斜里町内の河川でもサケの遡上が町道や橋の上から見られる。川を黒くするほどのサケが遡上し、産卵する姿は感動的だ。この新たな生命誕生に向けた役割を果たすと、サケの一生は終わる。川を遡るサケは、ミズナラのドングリとともに、冬眠を控えたヒグマはじめ、知床の動物たちの貴重な栄養源になっている。

 秋の知床を舞台に「知床紅葉ウオーク」が平成16年から行われている。平成18年度は10月14日、羅臼町ビジターセンターを出発点に、知床横断道路の横断(25キロ)と知床峠まで(14キロ)の2コース。知床横断道路は、冬期間は雪のため閉鎖され、1年の半分ほどしか通行できない、日本で開通期間は最も短い国道だ。

 春から行われている知床5湖などを巡る自然体験ツアーも、秋が深まる中、終盤を迎える。

 

知床番屋祭

漁師直送の新鮮な海産物などを満載した「知床番屋祭」が10月中旬から1ヶ月間、ウトロ漁港の特設会場で行われている。魚介類に加えて、農産物も含め知床の素材が集まる。

 漁師の作業小屋「番茶」の雰囲気の中で、海鮮炉端、アキアジ鍋、ちゃんちゃん焼き、イカゴロ焼き、鮭の山漬け切り身、魚卵丼などを賞味できる。開催時間は午後5時半から同8時まで。

 ちゃんちゃん焼きは、3枚におろしたアキアジに味味噌をつけ、山盛りの白菜やネギをかぶせて蒸し焼きにして食べる豪快な浜料理だ。旬のこの時期に味わいたい。

※知床番茶実行委員会
 TEL.0152-22-2125

 
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